不倫中に妊娠したかも？妊娠が発覚したときにやることや費用を解説

不倫という許されない関係の中で、新しい命の可能性に気づいたとき、多くの女性は激しい動揺と深い不安に襲われることでしょう。

「もし本当に妊娠していたら、どうすればいいの？」「相手に伝えたら、彼はどうするだろうか」「夫や家族に知られたら…」

誰にも相談できず、一人で恐怖と向き合っているかもしれません。関係がどうなってしまうのか、今後の人生がどう変わるのか、考えれば考えるほど目の前が真っ暗になるような気持ちになりますよね。

本記事では、不倫中に妊娠したかもという絶望的な状況のなかで、少しでも冷静さを取り戻し、自分の未来のために最善の道を考える手助けとなる情報をお伝えします。

まずは妊娠の事実確認から、その後の選択肢、避けては通れないお金の問題、そして法的な対処法まで、順を追って具体的に解説していきます。

不倫中に妊娠したかも？と思ったらまずやること

不倫相手の子どもを妊娠したかもしれないと感じたとき、心はひどく動揺し、冷静な判断が難しくなるものです。しかし感情に流されず、順序立てて行動することが重要。

まずは事実を正確に把握し、関係者と向き合い、自分の将来を真剣に考えるための準備を始めましょう。

本当に妊娠しているのかを病院で確認する

生理の遅れや体調の変化から怪しいと感じたら、まず最初に行うべきは、産婦人科を受診し、医師による正確な診断を受けること。

市販の妊娠検査薬で陽性反応が出たとしても、正常な妊娠であるとは限りません。子宮外妊娠など、母体に危険が及ぶ可能性も考えられます。病院では超音波検査などを通じて、妊娠の有無だけでなく、胎児の心拍や正確な妊娠週数、そして正常な妊娠であるかどうかを確認できますよ。

今後の選択肢を検討するうえで、妊娠週数はとても重要な情報となります。とくに人工妊娠中絶手術を視野に入れる場合、法律で定められた期間（妊娠22週未満）が設けられているため、迅速な確認が不可欠です。

不安な気持ちを抱えたまま時間を過ごすのではなく、まずは医療機関で事実確認を行い、冷静な判断を下すための土台を築きましょう。

不倫相手と今後のことを話し合う

妊娠の事実が病院で確定したら、次に行うべきは、不倫相手に事実を伝え、今後のことについて真剣に話し合うこと。

一人で悩み、一人で決断を下すのは、精神的にも経済的にもとても大きな負担を伴います。出産するにせよ、中絶を選択するにせよ、妊娠は2人に関わる問題であり、相手にも責任があります。相手に伝える際は、感情的に責め立てるのではなく、まずは妊娠週数や医師からの説明といった事実を冷静に報告することが大切ですよ。

相手が既婚者である場合、すぐに受け入れられない可能性や、逃げようとするケースも考えられます。しかし、今後の費用負担や法的な手続きを考えるうえで、相手の協力は不可欠。

話し合いが困難な場合や、相手が不誠実な対応をとる場合は、弁護士などの専門家に相談することも視野に入れ、交渉の準備を進める必要があります。

パートナーとの関係をどうするかを検討する

自分が既婚者である場合、不倫相手との問題と同時に、現在の配偶者との関係をどうするのかという、極めて重大な問題に直面します。

夫との結婚生活を継続するのか、それとも離婚という道を選択するのか、今後の人生を大きく左右する決断を下さなければなりません。夫との関係継続を望む場合、妊娠の事実を打ち明けるのか、それとも墓場まで持っていくのかという苦しい選択を迫られます。

一方で、離婚を決断する場合、不倫は法律上の有責事由にあたるため、夫から慰謝料を請求される可能性が高くなります。財産分与や子どもの親権問題など、法的に複雑な問題も絡み合うことに。

どちらの道を選ぶにしても、大きな責任と覚悟が伴います。自分の本当の気持ち、そして子どもの将来を第一に考え、後悔のない選択をするために、慎重に検討を重ねることが重要です。

不倫中に妊娠した場合の今後の選択肢

不倫中の妊娠が確定したとき、自分の未来と子どもの命をめぐり、2つの大きな選択肢の前に立つことになります。出産するという選択と、中絶するという選択。

どちらも自分の人生に計り知れない影響を与える決断であり、正解はありません。それぞれの選択がもたらす現実を深く理解し、自分の状況と気持ちに真摯に向き合うことが求められます。

出産する

さまざまな困難が予想される中でも、授かった命を産み育てるという決断は、何にも代えがたいもの。経済的な不安や、一人で育てることへの覚悟、社会的な偏見など、乗り越えるべき壁は決して低くありません。

しかし、この選択をした先には、母親としての喜びや、子どもとともに成長していく未来が待っています。

出産した場合の今後【認知や戸籍から養育費まで】

出産を決意した場合、子どもの権利と将来の生活を守るために、いくつかの重要な法的手続きについて理解しておく必要があります。

まず認知。認知とは、婚姻関係にない男女間に生まれた子ども（非嫡出子）について、父親が自分の子どもであると法的に認める手続きを指します。

相手の男性が任意で役所に届け出てくれれば任意認知が成立しますが、拒否された場合は、家庭裁判所に調停や訴えを起こして強制的に認知を求める強制認知も可能です。DNA鑑定などがその際の証拠となりますよ。

認知が成立すると、法律上の親子関係が生まれ、養育費を請求する権利や、子どもが父親の財産を相続する権利が発生します。

次に戸籍の問題。自分が独身の場合、子どもの戸籍は自分の戸籍に入り、父親の欄は空欄となります。認知されれば、そこに相手男性の名前が記載されます。

自分が既婚者の場合、事態はより複雑。日本の民法では、婚姻中に妻が妊娠した子どもは、夫の子どもであると推定される嫡出推定（民法772条）という制度があります。そのため、たとえ不倫相手の子どもであっても、法律上は夫の子どもとして戸籍に記載されてしまうことに。

戸籍の記載を変更するには、夫が家庭裁判所に嫡出否認の訴えを起こす必要があり、とても困難な手続きを伴います。

そして最も重要なのが養育費。養育費は、子どもが社会的に自立するまでにかかる生活費や教育費などのこと。金額は、双方の収入や生活レベルに応じて算出されますよ。

相手との話し合いで金額や支払い方法を決めますが、口約束だけでは将来的に支払いが滞るリスクがあります。そのため、合意内容は必ず公正証書として書面に残しておきましょう。

公正証書を作成しておけば、万が一支払いが止まった際に、相手の給与などを差し押さえる強制執行の手続きをスムーズに進めることができますよ。

中絶する

さまざまな事情を考慮した結果、妊娠を継続しないという苦渋の決断を下す場合も。経済的な問題、相手の協力が得られない状況、自分の心身の状態など、理由は人それぞれです。

この選択は、自分の身体と心に大きな負担をかけることを十分に理解しておく必要があります。

中絶後の心身のケア

人工妊娠中絶手術は、法律（母体保護法）により妊娠22週未満までと定められています。手術自体は医療機関で安全に行われますが、その後の心身のケアが極めて重要です。

身体的には、手術後は医師の指示に従い、十分な休養をとることが必要。無理をすると回復が遅れたり、感染症などの合併症を引き起こしたりするリスクがありますよ。定期的な検診を受け、身体が完全に回復するまで無理は禁物です。

それ以上に深刻なのが、精神的なケアです。手術後、多くの女性が喪失感や罪悪感、悲しみといった感情に苛まれます。こうした精神的苦痛は中絶後遺症候群（PAS）とも呼ばれ、うつ病や不安障害につながることもありますよ。

大切なのは、一人で抱え込まないこと。パートナーである不倫相手にも、痛みと悲しみを共有し、精神的な支えを求める権利があります。

もし相手の理解が得られない場合や、話せる相手が誰もいない場合は、カウンセラーや心療内科など、専門家のサポートを受けることをためらわないでくださいね。自分の心を労り、時間をかけて回復させていくことが何よりも大切です。

不倫中の妊娠がわかったときに考えておきたいお金のこと

不倫中の妊娠という事実は、精神的な負担だけでなく、現実的なお金の問題も引き起こします。出産を選ぶにしても、中絶を選ぶにしても、そこには必ず費用が発生します。

さらに、関係がこじれた場合には、慰謝料という大きなお金が動く可能性も否定できません。将来のトラブルを避けるためにも、金銭的な見通しを立てておくことはとても重要ですよ。

出産に関する費用

出産を決意した場合、まず必要になるのが出産関連の費用です。具体的には、定期的な妊婦健診の費用、分娩費用、入院費用などが挙げられます。

正常な分娩の場合、公的医療保険は適用されませんが、健康保険から出産育児一時金として、子ども一人あたり50万円（2025年6月時点）が支給されますよ。多くの病院では、この一時金を直接支払いに充てる制度を利用できます。

しかし、無痛分娩を希望したり、帝王切開になったりすると追加費用がかかり、50万円を超過するケースも少なくありません。

これらの費用は、本来であれば父親である不倫相手と分担すべきもの。事前にしっかりと話し合い、どちらがどの程度負担するのかを明確にしておくことが、後のトラブルを防ぐために不可欠です。

中絶に関する費用

人工妊娠中絶手術は、健康保険が適用されない自費診療となるため、費用は高額になる傾向があります。

手術費用は、妊娠週数によって大きく変動します。妊娠初期（12週未満）であれば、日帰り手術が可能な場合が多く、費用相場は10万円から20万円程度。

しかし、妊娠中期（12週から22週未満）になると、法律上の規定により入院が必要となり、手続きも複雑になるため、費用は30万円から50万円、あるいはそれ以上かかることもありますよ。

この費用も、妊娠の原因を作った当事者である2人で分担するのが原則です。手術を受ける前に、相手と費用負担について必ず合意し、できれば先に支払ってもらうか、支払いを確約する書面を取り交わすなどの対応が望ましいでしょう。

慰謝料

不倫は、法律上不貞行為という不法行為にあたります。そのため、慰謝料の問題が発生する可能性がとても高いです。

慰謝料が発生するパターンは主に2つ。ひとつは、不倫相手の配偶者から、自分と不倫相手が連帯して慰謝料を請求されるケースです。慰謝料の金額は、婚姻期間の長さや不倫の悪質性などによって変動しますが、相場は数十万円から300万円程度といわれています。

不倫によって妊娠したという事実は、相手の配偶者に与える精神的苦痛を増大させる要因と見なされ、慰謝料が高額になる可能性がありますよ。

もうひとつは、自分が不倫相手に対して慰謝料を請求するケースです。たとえば、「妊娠を告げたら一方的に連絡を絶たれた」「無理やり中絶を強要された」など、相手の不誠実な対応によって精神的苦痛を被った場合に請求が考えられます。慰謝料の問題は法的な知識が必要となるため、弁護士などの専門家に相談することをおすすめしますよ。

パートナーと離婚する場合は慰謝料や婚姻費用が発生する可能性も

自分が既婚者で、今回の不倫と妊娠が原因で夫と離婚することになった場合、さらに複雑な金銭問題に直面します。

不倫をした側は有責配偶者となるため、原則として自分から離婚を請求することは難しくなります。そして、夫から離婚を請求された場合、不貞行為に対する慰謝料の支払い義務を負うことになりますよ。金額は、夫婦関係の状況にもよりますが、高額になるケースも少なくありません。

また、離婚が成立するまでの間、収入の多い方が少ない方へ生活費を支払う婚姻費用分担義務というものがあります。しかし、自分が有責配偶者である場合、この婚姻費用の請求が制限されたり、減額されたりする可能性もありますよ。

財産分与においても、不利な条件を提示されることも考えられます。離婚という選択をする前に、法的なリスクを十分に理解し、弁護士に相談するなど慎重な判断が必要です。

不倫相手との子を妊娠した場合の結婚生活への対処法

不倫相手の子どもを妊娠したという事実は、自分の結婚生活、あるいは相手の結婚生活に深刻な影響を及ぼします。不倫相手が既婚者であるダブル不倫の場合と、自分だけが既婚者である場合とでは、直面する問題の性質や対処法が異なります。

それぞれの立場で、どのような事態が想定されるのかを解説しますね。

既婚男性の場合

不倫相手である男性が既婚者で、自分が独身というケース。この場合、男性側の心理として、自分の家庭を壊したくないという気持ちが強く働くことが一般的です。

そのため、妊娠の事実を告げられた男性は、相手に対して中絶を迫ったり、認知や養育費の支払いといった責任から逃れようとしたりする可能性があります。「産むなら一切関わらない」「お金は払えない」などと、冷たい態度をとられることも少なくありません。

しかし、女性側には子どもの父親である彼に対して、認知と養育費を請求する法的な権利があります。もし相手が話し合いに応じない、あるいは不誠実な対応に終始するようであれば、感情的にならず、弁護士を代理人に立てて法的な手続きを進めることを検討しましょう。

家庭裁判所に認知調停や養育費請求調停を申し立てることができますよ。同時に、彼の妻から慰謝料を請求されるリスクがあることも、常に念頭に置いておく必要があります。

既婚女性の場合

自分が既婚者で、不倫相手の子どもを妊娠してしまったというケース。法律的にも感情的にも、極めて困難で複雑な状況といえるでしょう。

最大の問題は、先にも述べた嫡出推定です。出産した場合、その子どもは法律上、自動的に夫の子どもと推定されてしまいます。この事実を隠して夫と生活を続けることは、常に秘密が発覚する恐怖と罪悪感を抱え続けることを意味しますよ。

一方で、夫に真実を打ち明ければ、当然、夫婦関係は深刻な危機に瀕します。離婚を突きつけられ、有責配偶者として慰謝料を請求される可能性がとても高いでしょう。

不倫相手の男性が独身であったとしても、彼との再婚が必ずしも保証されているわけではありません。最悪の場合、夫とも不倫相手とも別れ、一人で子どもを育てていくという厳しい道を歩む可能性も考えられます。

どの選択をするにしても、計り知れない精神的、経済的な負担を覚悟する必要があります。

不倫相手との子を妊娠したと発覚したときのNG行動

思いがけない妊娠に動揺し、パニックに陥ってしまうのは仕方のないことです。しかし、感情に任せた行動は、かえって事態を悪化させ、自分の立場をさらに苦しいものにしてしまいます。

ここでは、絶対に避けるべきNG行動について解説します。冷静さを失わず、最悪の事態を招かないための注意点として心に留めておいてくださいね。

話し合いや決断を先延ばしにする

あまりのショックに、問題から目を背け、決断を先延ばしにしてしまいたい気持ちになるかもしれません。しかし、時間の経過は何も解決してはくれません。むしろ、状況を悪化させるだけです。

とくに中絶を少しでも考えている場合、人工妊娠中絶が可能な期間は法律で妊娠22週未満と厳しく定められています。時間が経てば経つほど、手術の身体的金銭的負担は増大し、やがては選択肢そのものが失われてしまいますよ。

出産する場合であっても、相手との認知や養育費に関する話し合いは、できるだけ早く始めるべきです。時間が経つと、相手が連絡を絶ってしまったり、言い逃れのための準備をしたりする可能性が高まりますよ。

辛い現実と向き合うのは勇気がいることですが、迅速に行動を起こすことが、最終的に自分と子どもの未来を守ることに繋がります。

不誠実な対応をする

混乱や怒りから、感情的な行動に出てしまうのも避けるべきです。相手の男性や、その配偶者に対して、脅迫めいた言葉を投げつけたり、SNSで暴露するような行動をとったりすることは、百害あって一利なしですよ。

このような行動は、自分の品位を貶めるだけでなく、法的な立場を著しく不利にします。たとえば、相手の配偶者から慰謝料を請求された際に、そうした脅迫的な言動が悪質な行為と見なされ、慰謝料の増額事由になる可能性がありますよ。

また、相手を感情的に責め立てても、冷静で建設的な話し合いは望めません。あくまでも目的は、今後のことについて誠実な話し合いを行い、問題解決の道筋をつけることです。

辛い状況であることは間違いありませんが、自分の権利を正当に主張するためにも、冷静かつ誠実な態度で臨むことが不可欠です。

まとめ

不倫関係のなかで妊娠という事実に直面することは、女性にとって計り知れないショックと不安をもたらします。誰にも相談できず、一人で抱え込み、絶望的な気持ちになっているかもしれません。しかし、どのような状況であっても、道が完全に閉ざされたわけではありません。

まず最も重要なことは、パニックにならず、産婦人科で正確な事実を確認すること。そして、その事実を基に、不倫相手と誠実な話し合いの場を持つ必要があります。

出産するのか、中絶するのか。どちらの選択をするにしても、自分の人生を左右する大きな決断です。その際には、出産や中絶にかかる費用、慰謝料、養育費といった金銭的な問題、そして戸籍や親権といった法的な問題を避けて通ることはできません。

複雑な問題を一人で解決するのはとても困難。決断を先延ばしにしたり、感情的な行動をとったりすることは、事態をさらに悪化させるだけです。

もし相手との話し合いが進まない、あるいは法的な問題でどうしていいかわからないと感じたら、決して一人で悩まず、弁護士などの法律の専門家に相談してくださいね。法的な権利を守りながら、最善の解決策を一緒に見つけてくれるはずです。